レジットスプリクトが大手個人輸入会社に圧力

医薬品を手に入れたいとき、昔であれば取るべき行動はひとつしかありませんでした。 病院に行って医師の診察を受け、処方箋をもらって薬局で処方してもらう、という手順で、これは今も変わっていません。 なぜこのような手続きが必要になるかというと、医薬品は非常に効果の強い薬品であり、一歩間違えれば強い毒となるものだからです。 風邪を引いていないときに飲む風邪薬は決して健康に寄与するものではありません。

ドラッグストアでの販売も薬剤師の設置が義務付けられていますし、コンビニエンスストアで販売されるようになったものの、品目には制限がついています。 このように規制の厳しい医薬品販売ですが、近年規制緩和の波に押されインターネット販売を解禁しました。 とはいえルールがないわけではなく、「ネット上だけではない実店舗を持つこと」「販売している薬の情報を開示すること」「実店舗が週30時間以上開店し、薬剤師が常駐すること」など、守るべきルールが設けてあります。

しかし、実際にはインターネット上の店舗について上記のルールの順守を最初から確認するのは困難です。 「実店舗を持たない」「薬剤師がいない」「問い合わせても薬の出所を答えない」などの業者が非常に多数存在し、購入者とのトラブル等で問題化していました。 これに対し、行動を起こしたのが「レジットスクリプト」という団体です。

「レジットスクリプト」というのは聞きなれない名前ですが、それもそのはずでレジットクリプトはアメリカの組織です。 レジットクリプトは主にインターネット上で「医薬品」「タバコ」「サプリメント」など、リスクの高い分野での不正なウェブサイトと活動を監視する組織です。 アメリカをはじめヨーロッパ各国や日本でも政府機関に報告書を提出しています。 主な活動がインターネット上であるため、全世界的に監視を行っているこの組織は不正と見なすサイトを見つけると各公的機関への通報したりします。 また、ドメイン名レジストラへの勧告でドメインを凍結、ウェブサイトを停止させるということもします。 日本でも厚生労働省からドメイン停止の権限を与えられています。

このレジットクリプトが先述したようなルール違反を行う日本の大手医薬品個人輸入会社にも目を付けています。 ドメインの停止や厚生労働省への報告などを行い、ウェブサイトを閉鎖させ、またその会社へのアフィリエイトを貼っている個人ブログまで停止させたため、一時期大きな話題になりました。 医薬品の個人輸入を利用していた方の中には、「いつも使っている購入サイトが何回もアドレスを移転して困った」という方もいたことでしょう。 水面下ではそのようなことが起こっていたのです。

レジットスプリクトに圧力を掛けられてもイタチごっこ

ところが、さまざまな形で圧力をかけられた個人輸入業者ですが、その数を順調に減らしているかというとそうではありません。 たとえば上で「何回もアドレスが移転して」と書いてあるように、ドメインが停止されてもまた別の場所で販売サイトを立ち上げたりといったイタチごっこの様相を呈しています。 レジットスクリプトは各業者のお金の流れを止めることもしていますが、外国送金の銀行振り込みなど抜け道は多数あります。

とはいえ、レジットスクリプトは厚生労働省が認め、この分野において委託を受けた団体ですので単なる圧力団体とは違い、日本の国内法においても権限をもっています。 またイタチごっこのように見えても、たとえばウェブサイトが頻繁に移転すれば検索順位も下がり、買う側からの信頼も失うことになります。 医薬品の購入サイトへ誘導するアフィリエイトサイトも、閉鎖に追い込まれると分かれば数は減っていくでしょうし、正しい医薬品のインターネット販売のルールが浸透していけば徐々に不正な業者が減っていくことが予想されます。

今後も違法と見なされる業者・サイトに対する圧力は続きます。 もし事情があってインターネット上で医薬品を購入する必要がある場合は信頼できる販売業者(クリニック等医療機関が運営しているようなもの)を選んで利用するようにしましょう。